雪、ときどき嵐

アイドルが好きだ。Twitterはコチラ→@yu_yamiiii

SixTONESのANNを聴いていたらゆめちゃん落ちの松村北斗担になった話

 

 

2020年7月11日(土)の深夜。ふとTwitterを眺めていると、トレンドに「ゆめちゃん」「北斗くん」「SixTONESANN」というワードが入っていた。詳しく見てみると、どうやらSixTONES松村北斗くんがYouTubeで「ゆめちゃん」のおやすみ用ASMRを聴きながら寝ていると話したらしい。

 

いや、女の子の可愛い声で寝るってどんなアイドルだよ。リア恋(アイドルに本気で恋している人達)ファンもいるだろうに大丈夫なのか。てかゆめちゃんって誰だよ。非常に興味深い。そう思った。

 

 

 

 

松村北斗くんは、ジャニーズの6人組グループ「SixTONES」のメンバーである。

私は以前から彼が水曜どうでしょうが好きという情報を知っていたので、同じどうでしょう好きとして非常に親近感を抱いていた。

しかし私は特にSnow Manが好きであり、同時期に売り出したこともあってSixTONESについての知識はにわかレベルであった。対立するファンを見て辟易していて、どちらの魅力も感じていたからこそ、ふと目に付いてしまうアンチの言葉を見たくなかった。あとSixTONESファンの知り合いで1人過激な人がいたこともあり、怖くて本能的にあまり近づかなかったのだと思う。もちろんパフォーマンスを見てかっこいいなぁと思っていたし、SixTONESが個人ブログを立ち上げてからは割としっかりチェックしていた。

 

その中でも特に、松村北斗くんのブログは毎回読んでいた。なぜそこまで熱狂的なファンでもないのにブログを読んでいたのか。

誤解されることを覚悟して言うと、北斗くんの文章は"変"で面白かったからだ。変と言っても、文の意味が分からないとかではないし、ましてや彼の気がおかしいということでもない。彼から、圧倒的な「人間」味を感じたのだ。私の使う『変』とは、『もっと知りたくなるようなクセがある』みたいな意味である。彼のブログは、アイドルっぽい日もあれば、突如文体が変わってエッセイになる日もある。コロコロと変わる文章がやけに人間らしくて、虚像を売りとするアイドルとは少し掛け離れているように感じた。彼の活動を追いかけているわけではなかったが、今日の北斗くんはどんな感じなんだろう?と気になってついついブログを覗きに行った。

 

5月20日は、「いつかこのご飯はうまいなーっと叫びながらちゃぶ台返したい」と書いてあった。…分かる。絶対やらないけど、分かる。そして、「これですこしだけどんな人か分かって貰えましたか?」と続く。あ、変な人なんだろうな。そう思った。

 

5月22日のブログに、「深読みしてくれるように書いてたんだよ(中略)そう言う時って書いた人の正解を知らない方が気持ち悪くって心地良いよね」とあった。こんな風にブログで気持ち悪さの心地良さを語るアイドルがいるんだと驚いた。そして私もその気持ち悪さが好きだから、やけに共感したのを覚えている。

 

SixTONESファンの友人(前述した過激な人とは別の子)曰く、「北斗くんは友達が少ない」らしい。あぁ〜…確かに。面倒くさそうだもん。彼の見た目もクールで寡黙な感じだから、近づき難い感じがガンガン出ているのか?

それにしても友人よ、彼は学生時代に友達が2人しかいないというのは流石に嘘だろう?(…と思って今ネットで軽く調べたら本人が開き直って2人って言ってる記事があった。え、マジ?)

 

とにかく、私は松村北斗くんという人間がこの数ヶ月ふんわりと気になっていた。そこに登場したのが、パワーワード「ゆめちゃん」である。

 

気になって例のSixTONESオールナイトニッポンを聴いた。

北斗くんによるゆめちゃんのエピソードトークは、非常に練られていた。構成もリズムもとても綺麗で心地よかった。ジャニーズのアイドルとは思えないほど深夜ラジオ寄りの話だった。あ、この人そういえば深夜ラジオも好きらしいな。ふと友人が言っていたことを思い出す。

 

結論から言おう。

 

ゆめちゃんの話が終わりジングルが鳴ったとき、私は松村北斗くんに落ちてしまった。完全に彼のファンになった。

 

お笑いにバチボコ尖っていて、プロレスをかまそうとする彼のラジオ愛は番組を聴けばすぐに伝わった。ラジオへの熱量がデカすぎる。ANNのハガキ職人の名前をしっかり覚えている。この人ガチの人だ。北斗くん面白すぎるだろ。

 

こうして、ゆめちゃん落ちの松村北斗担(仮)が爆誕したわけだ。

[正直まだ彼についてほとんど何も知らないド新規にわかファンなので(仮)を付けさせてもらった。なのでファンの方がもしこの文章を読んだとしても怒らないで欲しい。優しく教えてくださいお願いしますお願いします。]

 

そして、友人に教えてもらって彼の連載「アトリエの前で」の第10回を読んだ。

読了し、気づけば私はポロポロと泣いていた。

野望に溢れた少年時代。しかし、様々なエラーによって少しずつ歪み、叶えられなかった「甘い顔で甘いことを言うアイドルグループのセンター」という夢。それでも彼は、「あの日見た夢の続きを今日も生きている」と言う。その強さが好きだと思った。

夢は「かなえる必要はない」と言い切る。そんな彼の積み重ねた経験に思いを馳せた。

「ただ、かなえるための日々を過ごすべきだ」そして「目の前の夢の続きを必死に生きるべきだ。わかったか。僕よ。」と続ける。そう自らに言い聞かせて前に進む姿に心底惚れた。

 

たぶん私は、これを読みながら今の自分と重ね合わせたのだと思う。(もちろん彼は日本中のみならず世界中に向けてお仕事をしていて、私とは比べ物にならないことは分かっている。)私はついこないだ、面接に落ちて夢破れたばかりだった。あと一歩。でもその一歩が遠かった。努力してもどうにもならない事はあると知った。

ただ彼は、夢の続きを生きている。変化を咀嚼して、ちゃんと自分を見つめている。「夢をかなえる必要はない」というこの11文字に、彼の想いが凝縮されているようだった。

 

何事も、終わりなんてないのかもしれないと思った。昨日から今日が続いていて、今日から明日が続いていくのだ。すっかり終わったように見える何かも、糸より細く続いている。人はそれを意識したりしなかったりして生きている。目の前へ進むことこそが、実は夢の続きを生きることなのかもしれない。私の心は少し軽くなった。

 

彼の、真っ直ぐひねくれている文がとても好きだ。ジャニーズという煌びやかな世界に身を置きながらも、人とは少し離れた場所で思考を巡らせて形成されたであろう、その豊かで少々歪な哲学を美しいと思った。

 

松村北斗くんという"変"な人について、もっと知りたい。彼が何を考えていて、どんな言葉を発するのかもっと見てみたい。前までは淡々とギラついているアイドルだと思っていたが、彼は想像していた以上に面白かった。応援してみたい。彼を通した世界はどんな風に見えているのか知りたい。

 

たぶん彼に対する感情は、これまで応援してきたアイドルの誰とも違うベクトルの「好き」だと思う。

私はYouTuberの水溜りボンドのカンタさんが好きなのだが、それとどことなく似ている気がする。カンタさんは相方のトミーさんに「カンタを知ろうとする→ドツボにハマる→殺される」と言わしめる人である。物騒な話だが、カンタさんに惚れ込み、人生を水溜りボンドに掛けるトミーさんのその言い分はわりかし的確だと思う。彼はよく、カンタさんのことを"変"だと言う。カンタさんが何をしても笑うし、世界一面白いと言って疑わない。俺カンタになら殺されてもいいとまで言う。

私は殺されたくはないが、カンタさんを見ていると、次は何をするんだろう、何を言うんだろうとワクワクしてしまう。斬新な思考回路が面白いのだ。彼は自分なりの強い哲学を持ち合わせていて、それに従って生きている。

 

多分アイドルやYouTuberという肩書きを超えて、北斗くんやカンタさんは私にとって「人として知りたくなる人」というカテゴライズなんだと思う。ドツボにハマって抜け出せなくなる未来はもう既にうっすらと見えている。

 

私は真の「松村北斗担」になるべく、北斗くんについて勉強し始めることにする。彼を知った私の人生は、今まで以上に面白いものになりそうだ。手始めに友人からオススメされたストチューブを見る。なにかオススメがあったら教えてください。

 

 

最後に。

ゆめちゃんへ。私は君のおかげですごく魅力的な人のファンになったよ。サンキューな。割とすぐ眠れるタイプの人間ではあるけれど、今度君の声を聞いて眠ってみようと思う。ありがとう。