10年来の嵐ヲタクがSnow Manにハマった話。
私にとって、ジャニーズは嵐だけだった。
関ジャニもHey! Say! JUMPもV6も、曲を聴いたりドラマを見たりはしていた。
でもヲタクになるほどではなく、それなりにゆるく知ってるくらいのジャニヲタ。
そんな嵐ヲタの私に舞い込んだ知らせ。
嵐が2020で活動休止。
ああ、私はジャニーズに触れることも少なくなるんだろうなと思った。
嵐がいるから、という理由でジャニーズを見ていたから。
凹んでいた私に、また新たな知らせが来た。
二宮くんが結婚。
アイドルのプライベートには全く興味のない私にとって、結婚の事実なんてどうでもよかった。でも、結婚発表がなんとなくの説明で終わったことに腹が立った。
あんなに好きだったのに、彼を見ると少し心がモヤつくようになった。
そしてそんな冷徹な自分も嫌いになった。
自分がずっと信じていたものは、案外呆気なく崩れ落ちた。
(今ではその気持ちも随分落ち着いて、昔に少しずつ戻っては来ている。嵐のこと、好きだ。)
そんなときに、Snow Manにハマった。
初めてSnow Manに触れたのは、2019年10月。
めちゃくちゃ軽い気持ちで見た。
Jrかぁ~ほぉ~。
…程度だった自分。
まさかその数分後に運命の出会いを果たすとは思ってもいない。
阿部亮平くん。
彼を見た時に「何だこのイケメンは…」と衝撃を受けた。
何故かは分からない。
でも、ひたすらタイプのアイドルがそこにいた。
友人は熱っぽく彼について語ってくれた。
いや待て待て待て待て待て待て待て。
お顔が整っているだけでなくハイスペック、はぁ、まさに私が理想とするアイドルやんけ。なんじゃそりゃ。
よし、Snow Man見よう。
友人は即座に再生リストを送ってくれた。
え?めっちゃおもろいな。
ROTもくれた。
こんなに真面目で努力家なんだ…。と泣いた。
彼らの全てが突き刺さった。
想像していた以上に、はるかに魅力的なアイドルがそこにいた。
渡辺くんと深澤くんの見分けがつかないとかほざく瞬間は秒速で過ぎ去り、気づけば私はSnow Manのファンクラブ入会ページをポチポチ更新してページに入ろうとしていた。
深夜三時すぎ。100回以上ノリと勢いでポチポチ。
「……あ。」
混雑しまくっていたページに入れた。
翌日、入金。
きっと、このFC入会というのが決め手だったんだと思う。
✱
冒頭にも述べたように、私は嵐が好きだ。
いわゆる嵐ブーム、クラスの全員が嵐を好きだった10周年らへんに、ご多分に漏れず嵐ファンになった。
5×10を聴きこみ、次はアルバムを全制覇し、遂にはシングルのカップリングも制覇した。
テレビ番組も全て録画、少ないお小遣いで時たまテレビジョンやSODAなどを買った。
メンバーがドラマに出れば、テレビにすがりついて見た。
ひたすら楽しいヲタクライフ。
でも、ただ1つだけ悔しいことがあった。
それは、これまでの彼らが苦労した10年の歴史だけはどう足掻いても体験することは出来ない、ということだった。
DVDで振り返ることは出来ても、時間は巻き戻せない。
私は、必死に駆け上がる5人を支えた人達に、嫉妬していた。
✱
Snow Manのファンクラブ。
きっと今入ったら会員番号早いんだろうな。
嵐で悔しかったんだよなぁ。
Snow Manなら、今なら悔しがらなくて済むんじゃないだろうか。
そう思った。
自分が本当にSnow Manの「ヲタク」なのかどうかもハッキリ分からないまま入会した。
正直アクセスしたのはノリと勢いだったので、Snow Manへの感情は一時の気の迷いかもしれないという不安も、どこかにあった。
でも、これを逃したら会員番号は遅くなるばかりだし、時は二度と取り返せないのだから、と入会費を支払いに行った。
ファンクラブに入ってから、Snow Manに触れる時間はどんどん増えた。
せっかくファンクラブに入ったんだから、とYouTubeを毎日見るようになったし、ISLAND TVも見漁ったし、そうこうしていたらD.D.が初披露されて、あれよあれよという間にデビューに向けて9人はテレビやラジオに引っ張りだこになって、毎日彼らに触れていた。
気づけば、私は正真正銘Snow Manのヲタクになっていた。
一瞬感じた不安なんて、彼らのファンになるにあたっては全く必要なかった。
「1度ハマると抜け出せない」と本人たちが言うのだから間違いない。
Snow Manは深い深い底なし沼だった。
Snow Manの優しくて温かく、真面目で仲間思いな空気感は、嵐に似ていると思う。
課題から目を逸らしたりしない。メンバー全員がグループのために真剣に向き合う。ふざけて人を傷つけたりしない。簡単に下品な笑いをとりにいったりしない。個々人がいつでもグループにどうやって還元しようか考えている。いつも謙虚。
この人たちを好きでいれば、きっと幸せになるだろうと思った。
私は、彼らが国民的アイドルと呼ばれる日が来ると本気で思っている。
キャラクターが強くて、何よりグループの空気が良い。
誰かが天狗になれば誰かが鼻を折ってくれるグループだと思うし、誰かがへこたれそうになれば全員で優しく抱きしめてあげるグループだと思っている。
そして現在進行形のメンバーの絆の構築が、ただひたすら美しく、眩しい。
少し掛け違えば壊れてしまいそうなほど脆くて危うくて、でもそこに長年Jrで培った安定感とプロ根性、そして思いやりと優しさが同居する。
日々もがきなから真っ直ぐに輝く彼らを、少しでも上に押し上げたい。
心からそう思った。
私はD.D.を複数枚買った。
ハイタッチとかどうでもよくて、ただ売上が1枚でも増えて欲しいという気持ちだけだった。
…ああ、そうか。
これが「デビューから応援する」という気持ちか。
私が嵐で夢見た絶対に叶わぬ夢は、Snow Manが叶えてくれた。
そしてその景色は、想像よりずっとずっと美しかった。
「一緒にいて欲しい」
そうファンとの横並びを誓ってくれる。
「ありがとう」
ファンに寄り添って、何度も何度も感謝を伝えてくれる。
理想を超えたアイドルが、そこにはいる。
✱
これから先、Snow Manというグループがどうなっていくのか分からない。
永遠だと思っていた嵐でさえ、予期せぬ出来事は起こりえたから。
でも、いつか何かが起こっても、今のこの幸せな気持ちを忘れないでいたいなと思う。
人は変わる。仕方がないことだ。
そしてアイドルヲタクは、推しを信じるしかない非力な生き物である。
でも、今この瞬間は紛れもなく真実だ。
Snow Manが駆け上がっていく姿を、ずっとずっと、共に追いかけていたいなと強く思う。