雪、ときどき嵐

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ラウールくんは万華鏡みたいな人だと思った ~ハニーレモンソーダを見て~


私は2019年からのSnow Manのファンだ。
大人っぽく見えるけれどやっぱりまだ幼くて、あどけなくて、とんでもなく可愛いラウールくんという末っ子をまるで息子のように応援してきた。

でも彼のスター性を見ているうちに、いつの間にか単に可愛い息子って感覚以外にも純粋にときめくようになって、自担と呼ぶようになって、そんなときにハニーレモンソーダの公開が決定した。

自らウブウブだと言うラウちゃんが、とてもスマートでSっ気のある少女漫画の主人公を演じるというではないか。

これまでいろんなアイドルを好きで推しの恋愛映画の鑑賞を経験してきた訳だが、ラウちゃんの映画となればちょっと話は違うのよね。息子の恋愛を見ちゃうみたいな、まだ知らない一面が見えちゃうかもしれないどきどきが凄まじかった。
予告を見て叫んで暴れ狂った回数は数え切れない(近所迷惑)。

 

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そうしてハニレモ公開まで心臓が握りつぶされるような感情を抱いていたら、いつの間にか公開日になっていた。
秋頃に、明日7月になれ!とか言うてたのに、あっという間にもう今日は7月やった。

そんなこんなで、私は人生で初めて映画公開日の初回に劇場へ出向き、自担の映画を浴びた。

映画を見る前にあんなに深呼吸したの初めてだよ。さながら息子の晴れ舞台を見る親の気持ちである(多分これ世の中の8割のラウ担が言ってると思う)。

私は映画の予告編が大好きで、もはや予告編を見たくて映画館に行くこともあるんだけれども、今日ばかりは「予告はまだ終わらんのか!?」と長く感じた。ああ早く!いやまだ来ないで!いや早く来て!!みたいな感情の揺れ動きで落ち着かない。

 

ようやく映画が始まると、そこには確かに私の好きなラウールくんがいて、同時に、ラウールくんはいなかった

伝わりづらいかもしれないけれど、異次元の存在感は圧倒的 "ラウールくん" なのに、目の前にはずっと "三浦界くん" が生きているように見えた。

この映画は、<見る>というよりも、<浴びる>という表現が合っているように思う。

序盤から胸きゅんシーンが戦のように畳み掛けてくる。
怒涛。もうほんと怒涛。


私の心の中の明石家さ○まがずーっと「ヒャッハ〜↑」「ヒィ〜↑」って暴れてた。


さながら三浦界くん(ラウールくん)のPVである。
私は予告編を見すぎたせいか、「これ予告で見たやつ!」「ああこれもだ!」「うわっ」って、まるで進研ゼミでやったやつ!みたいに脳内ではしゃぎまくっていた。

私はまだ原作を読んでいないので分からないが、前半はどちらかと言えば漫画のここぞというシーンをギュッと濃縮した感じがした。

やっぱりこの短い時間じゃ足りなくて、ああもっとじっくり見たい…!と思ったなぁ。とんとんと進んでいくからたまに置いていかれちゃいそうになる。登場人物の感情を読み解くヒントが結構少なめかもしれない。

それでも全ての映像がハッとする程美しくて、すごく見応えがあった。胸きゅんシーンが来る度に脳内の大向うが「ラウールっ!」と叫ぶ(嘘です。そんなこと考えられるほどの余裕はありませんでした。予告編の最後のあのシーンが出てきたときは全身を震わせながらどうにか呼吸をするので精一杯だったことをここに白状します)。

 

あのね、とにかく綺麗なの。
カメラに映るその全ての光が、ラウールくんの姿が、界くんの人間離れした完璧なキャラクターに説得力を持たせてしまう。
界くんはまるで魔法使いや王子様のように羽花ちゃんの目の前に現れる。
「俺、空飛べるんだ」と言う界くんを見て、脳内でうぇ〜いと冷やかしたいんだけど、なんかこの人なら本当に飛べちゃうんじゃないかって思えて、脳内なのに何も言えなかった。

この作品のキャスティングかどういう順番で決まったのかは分からないけれど、もしかしたらラウールくんがやるということが前提にあったのかもしれないなと思う。
映画を一目見れば、誰しもこの映画は彼じゃなきゃいけない理由があるということが分かるはずだ。

ラウールくんには、不思議な力がある。
立っているだけで、まるで万華鏡みたいな光を放つ人。少し角度を変えたら、彼はまた新しい姿を見せる。常々、我々を魅了してやまない。

ただイケメンがキザなセリフを言うだけじゃダメで、あの映画の中の界くんはラウールくんが魂を吹き込むからこそ光を放っているんだなと思った。
「キャー!」みたいなドキドキもあったが、それ以上に息を飲む美しさというか、ああ私の好きなラウールくんの色がちゃんとここにある、って感じて、ファンとしてとても嬉しかった。

予告を見たときにラウールくんが低い声で話すのを聞いて少し違和感を感じていたのだけれど、本編を見たらそんなものどこかへ吹き飛んだ。むしろこうじゃなきゃ界くんじゃないのだと思った。ハスキーでずっしりとした重み。ただ綺麗なだけじゃない人の闇や厚み。でも、彼にかかればそれさえも綺麗に見えてしまうのだ。

 

私が好きだなぁって思ったのは、お祭りのシーン。
ネタバレになるのは嫌なので詳しくは書かないが、「変わりたい」と涙を流す羽花ちゃんを見る界くんの表情の繊細な表現に胸が締め付けられた。

界くんはあまり多くを語らないキャラクターだ。そんな中で、あのシーンは彼の中にある何か大切なスイッチが入ったように見えた。
ラウールくんは、いつの間にこんな細やかなお芝居をするようになったのだろう。
あの瞬間、きっと多くの観客が「三浦界」を掴み始めるに違いない。
ラウールくんは今後モデルとしての仕事が多いのかなぁって思っていたけれど、やっぱり俳優もたくさんやって欲しい。聡明な思考を持つ彼が真剣に役柄を解釈して、持ち前の豊かな表現力でキャラクターとして生きる。その一連の流れがこんなにも眩しいだなんて知ってしまったら、もっともっと見たくなるに決まってるじゃないか。

そこから、界くんの物語も動き始める。
これまたネタバレは嫌なのでフワッと語らせてもらうが、私は前半の衝撃的なPVたち(PVって言うな)を忘れるくらい引き込まれてしまった。

やっぱりここももう少し細かく描いて欲しかったなぁって気持ちは拭えないのだけれど、尺の関係もあるだろうし、自分なりに解釈する余幅を与えてもらったということでもあるから良しとしよう。
あと、これはあくまでも中高生向きの作品だから、とても柔らかな世界だということも大切にしたい点だ。いやほら、ヤクザ映画とかも観てる大人はどうしてもディープな設定を加えたくなっちゃう性なのだよ。スマン。
(ごめん、ネタバレを避けようとするあまり見た人にも伝わらないんじゃないかレベルのフワフワしたことしか言えなくなってる。)

 

気を取り直して。

 

私が作品の中で最も心を掴まれたのは、やっぱりラストシーン。圧巻だった。
俳優としてのラウールくんの豊かさが見えてきた。
きっと彼は界くんの抱く感情を丁寧に読みといて自分の中に昇華して、あの場所で放出したのだと思う。
そこには濁りのない感情だけがあった。人と人が思い合うって本当はすごくシンプルでいいのかもしれない。
スクリーンの中から、界くんの抱く愛情と熱量、そしてその後ろにラウールくん本人の熱量が見えてくる。
台詞だけじゃなく、ラウールくんが織り成す表情や息遣い、そしてそれを全身で受け取り自らも懸命に返す愛ちゃんの芝居の全てが、この映画のきらめきだと思った。

息を飲むほどに美しいシーンがある。
ワンシーンの画を見て泣きそうになったのは人生で初めてで、ほんとに震えが止まらなかった。
私はラウールくんのことが大好きだけれど、自分が思っている以上にもっともっと彼に心を掴まれているのだろうと思った。
この人が見せてくれる世界は、いつだって広い。知れば知るほど、彼に惹き込まれていく。それが幸せでたまらない。

この映画は、まだ成長途中のスーパーヒーロー2人が強くなっていくおとぎ話だと思う。
人は誰しも弱いけれど、強くありたいと願うとき、きっと傍に誰かがいてくれる。

 

見終えた後はほんとにソーダみたいな清涼感が胸の中に溢れた。
夢みたいでひたすらに鮮やかで美しい世界がめいっぱい広がる感覚と、しゅわしゅわと心が潤う音がする。
汚れのない「好き」をたくさん浴びて、なんか良い夏だなぁって思った。

考察のしがいがあったり後味の悪さがある作品も大好きだけど、純粋な眩さや煌めきを111分間浴びて、軽やかな足取りで劇場を後にできるこの作品を観られたことがとっても幸せだ。

欲しかった綺麗な世界が全部手に入ったような気分。
「しゅわきゅん」って想像以上に言い得て妙だ。

ラウールくんの万華鏡みたいな光と、愛ちゃんの金平糖みたいな甘さや可愛らしさに何度でもときめきたい。
きっと2回目だとまた少し違う感情になるだろう。

また近々観に行こうっと。